日記

ただ歩いてただけ

とても良い天気で、洗濯物も干したし、お昼もちゃんと作って食べられたし、このまま家の中にいるのはもったいないと思った。適当な服を着て、マフラーをぐるぐるに巻いたら、イヤホンを耳に挿して外に出た。財布も何も持たずに、どこに行くかもわからずに歩き出した。今まで通ったことのない道に行きたいと思った。小さな踏切をゆっくり越えて、直感を信じてどんどん進んだ。途中でくっつき虫が生えてたので引きちぎって振り回して遊んだ。しばらくするとペンペン草が生えてたので、昔のようにペンペン鳴らして遊んだ。飽きた頃にペンペン草を放り投げて、くっつき虫も実を一個ずつ飛ばして全部手放した。いろんな家を見て、そこに住んでる人を想像したりしていた。庭の手入れ加減とか、外に出てる自転車とかで、どんな人が住んでるのか だいたいわかる気がした。大きな庭で柴犬が一匹で遊んでいたので笑いながら見ていたら、うしろから人が来てたのに気づかなくて少しビックリしてしまった。しばらく歩くとイヌの散歩してるおじさんとすれ違って挨拶したんだけど、イヌがわたしのことずっと見ていて、いつ吠えられるかなとビクビクしてたんだけど吠えずにジッと見てるだけだった。ちょっと歩いてうしろを振り返ったらまだ見ていて、おじさんが引っ張ってるのに微動だにせずこちらを見ていたので思わず声出して笑ってしまった。すっかりここがどこだかわからなくなってしまった。知らない小学校の校庭で小学生が遊んでいた。車が多そうな道を目指して歩いてたら、知ってる道に出た。意外と遠くまで来てしまったことがわかった。少し前からめちゃくちゃオシッコしたくて、こんなに遠くまで来てしまったことに後悔していた。コンビニを見つけたのでトイレを借りようと駆け込んだけれど、店員さんに声をかけなくちゃ使えないトイレだったので、財布も持って来ていないし、店員さんも忙しそうだったので諦めて外に出た。完全にトイレ難民になってる。それで、頑張って早歩きで帰ってなんとか間に合った。日がずいぶんと短くなったみたいで、帰ってきたら家の中は真っ暗になっていた。散歩楽しいけれど、帰りのことちゃんと考えながら歩かないといけないし、誰もいない道で人とすれ違うの怖いのでスタンガンとか持ち歩きたい(車社会なので、歩いてる人はイヌの散歩か老人以外は危ない人だと思わなければならない。私も然り)。