日記

やりたいことよりできることを仕事にしなさいって林先生も言ってた

一社目の私は、わりと上手くやっていたと思う。もちろん、働くこと自体はめちゃくちゃに向いていなかったので、最初はよく具合が悪くなっていた。通勤途中に、なんどもえずいてしまったりとか。とにかく、毎朝同じ時間に起きて同じ道を通って会社に行くことが辛かった。辛かったんだけれど、ああ、こんなのまだまだ甘かったんだなと気づいたのは、二社目の私になってから。大切なものは失ってから気づく、なんて言葉はさんざん使い古されているけれど、本当にその通りだと思う。

正直就職活動は、働きたくない気持ちが強すぎて、真面目にしていなかった。説明会で前の方に座って赤べこみたいになってる人とか、自己分析しまくりで意識がすごいところまで登って行ってる人とかを見て、心の中で馬鹿にしていた。どうせ働かなければいけないんだから、どんな会社に行っても同じじゃんなんて、今の私が聞いたらひっぱたいてるようなことを思っていた。

それでも、運がよかったんだろうな、適当に入った会社は結果的に私にすごく合っていたみたいだ(天国のひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんありがとう)。けれども私はアホなので、そんな生ぬるい環境にいることに耐えられなくなって、もっとすごい仕事をしたいなんてことを考えてしまった。本当にどうかしている。私の場合、仕事にやりがいを求めてはいけなかったのに。そうして売り手市場も手伝ってめでたく素敵な会社に転職できたけれど、全然素敵じゃなかった。毎日残業続きだし、仕事は難しいし、上司はこわかった。お金は好きだけれど、あの時もらったお金は命と引き換えにしていたんだと思う。その証拠に、口座にお金が入るたび、私のどこか一部分の調子が悪くなっていくようだった。最初は頭痛だった。次は吐き気とかだった気がする。もう思い出せないや。だんだんきちんと話すことができなくなって、画面を見ても内容が頭に入ってこなくなった。そうしてついには、気を抜くと 涙が出てくるようになって、毎日車の中で泣いていた。

別に不幸自慢をしたいわけではないのでこれくらいにするけれど、とにかくそんな感じで、何度も転職したことを悔やんだ。だから、働くならどこでもいいなんてことはないよ。ただ、どの会社がいいのかなんていうのは四季報には載っていなくて、本当に運なんだと思う。実際、適当に入った会社が実は合っていて、すごく入りたかった会社でこんなことになっているので。自己分析とか企業研究は、一等を当てる確率を上げるために行うんだと思った。少しでもハズレくじを引かないように、みんながんばってたんだな。

まあ、そんな感じのことが半年前にあった気がするけれど、今では立派に会社を辞めているし、とても元気だ(働いてないので)。元気になる代わりに口座の残高はどんどん減っているので、残高と元気は反比例するみたいだ。本当は元気なまま残高も増えて行ってほしいけれど、無理なのかもしれない。口座の残高は、命をすり減らして増やすものみたいなので。

すっかり話がどこかに行ってしまったけれど、社会人一年目の私に言いたいことは、お望み通り働いていませんということかな。大学を卒業したらもうヒルナンデスを観ることができないのかと悲しくなっていたけれど、そんなことはなかった。こんなに簡単に、紙切れ一枚で、私はまたヒルナンデスを観ることができてる。